今回はノーマル三間飛車(以下ノマ三)を対策していきます。
ノマ三はプロでも多くの振り飛車党が愛用しており、見本にしやすい戦型ですね。
まずは、居飛車対ノマ三の現状を軽く見ていきましょう。
図1は、2019/05/06竜王戦3組ランキング戦の▲中村-△鈴木戦になります。
▲中村先生の指し手が早かったため、研究手順でしょう。実戦はよくある4五歩早仕掛けの部分定跡に合流しますが、結果は後手勝ち。
図2は、2019/03/07順位戦C級2組の▲高野-△今泉戦になります。
先手は近年流行のエルモ急戦を採用し、浮き飛車から▲5七銀~▲4六銀~▲3五歩の仕掛けを見せます(後手は3二飛から4二飛へ振り直しています)。対して後手は急戦の受けの形の1つである△3二金で対抗しました。結果は後手勝ち。
以上より、先手が工夫をみせるも、後手の対応は従来とあまり変わらず指せている。そのため、経験の差で振り飛車側が勝ちやすいように感じます。
次に居飛車穴熊に対する三間飛車の作戦を見ていきます。
図3はトマホークという指し方です(細かい手順は自信がないため、各自で勉強してみてください)。
狙いは△9三桂~△8五桂への速攻です。評価値では難しいですが、居飛車側はこの猛攻を受け続けなければならず、実戦的に勝ち辛いです。穴熊っぽい戦いにさせてもらえないのも厳しいですね。
図4は、かなけんシステムという指し方です。
穴熊に組ませる代わりに、平美濃でスキを無くし、相手の偏った陣形に石田流をぶつける狙いです。居飛車側は4九の金を動かしにくく、△7四歩~△7七角からの飛車のこびん攻めにも注意が必要となり、穴熊の姿焼きになりやすいです。
プロだと西川和宏先生が採用するイメージがあります。
以上より、穴熊は三間側の対策が優秀でペースを握られやすい。また、先手三間だと1手早いのでより厳しいと感じます。
銀冠穴熊の採用
よって、今回は角のラインを緩和しつつ、玉頭に手厚い銀冠穴熊を研究していきます。
狙いは以下の通りです。
・序盤の超急戦を避ける
・囲いはなるべく固いもの
・誘導性の高さ
まとめ
三間飛車は定跡が優秀で特に穴熊対策が厄介です。
居飛車側がペース握るというより、三間飛車側にペースを握られない方針が分かりやすそうです。
そのための工夫を考えていきましょう。