hanyu9dan’s diary

将棋研究についてのブログになります。主に自分が用いる・興味のある戦法の記事をアップしています。

【研究】対ノーマル三間飛車⑤





今回は対ノーマル三間飛車のまとめ及び補足の記事になります。

 

三間飛車側がとり得る作戦

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図8

(図8)は先手三間飛車の将棋になります。工夫としては▲3七桂が早いのと、4八に玉を待機させていることですかね。ここから▲9八香や▲5六歩などで玉を4八で待機される指し方が実戦で稀にありました。

まずは普通に進めていきましょう。

 (図8から)▲9八香△2二玉▲5六歩△1二香▲7九飛△1一玉▲5八金△2二金▲2九飛(図8’)

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図8’

この様に居飛車側にわざと玉を入場させて地下鉄飛車を狙う指し方です。銀冠の頭を直接攻めることができるため、実戦的に居飛車が負けやすいです。

その為、居飛車側は玉を3一の位置で待機し、相手の形が決まるまでこちらも待つのが有力な気がします。

(戻って図8から)▲9八香△1二香▲5六歩△9四歩▲9六歩△7三桂▲5八金△4二角▲4五歩△3三桂▲6八角△8一飛▲7九飛△2二玉▲2九飛(図9)

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図9

 先手は▲5八金~▲7九飛としたからには地下鉄飛車を決行しますが、(図9)の局面は、個人的には振り飛車側が少し無理をしているように映ります。以下一例です。

(図9から)△8六歩▲同 歩△同 角▲7七桂△4二角▲8五歩△8六歩▲8九飛△8五桂▲6五桂△6四歩▲8六角△7七桂成(変化図9’)

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変化図9’

(変化図9’)の様に進めば技が決まって居飛車良しでしょう。

 

地下鉄飛車まとめ

・銀冠に対する地下鉄飛車の指し方は振り飛車側に「右玉+居飛車」の感覚が必要なため、経験値的には居飛車が指しやすいと感じます。

振り飛車側が後手番なら、そもそも「千日手でも十分」と考えるため、地下鉄飛車の構想は先手振り飛車の時だけ発生しそう。

 

ごく稀に指されることがありますが、駒組みの時に地下鉄飛車のことも頭に置いておけば、本番で焦ることはないでしょう。

 

最新の「okumura流」について

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再掲図

前回の記事で、(再掲図)から△8五歩と仕掛ける攻めが振り飛車側の有力手だと勉強しました。

これは先手の角が引けないタイミングだったため、起こった変化でした。

そのため、最新の「okumura流」は駒組み段階で、▲5八金に代えて、▲5九金とするそうです(図10)。

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図10

これは、▲4八角と引ける余地を残しつつ、▲6九金~▲7九金寄~▲8八金上と銀冠穴熊を目指すという狙いがあります。

先に▲7八金を上がる居飛車穴熊戦でよく見る金寄りですね。

意外とスキがなく、実戦でかなりの確率で銀冠穴熊まで持っていけるため居飛車党の方はぜひ覚えて欲しい指し方になります。

 

まとめ

以上が銀冠穴熊の基本研究になります。

三間飛車側の作戦も有力なものは存在しますが、他の戦型に比べればかなり限定できていると感じます。

銀冠穴熊は、組んでいるときは相手の仕掛けに対応する作戦ですが、組み切ってしまえばこちらのものなので、三間飛車に困っている方は覚えてみると良いと思います。

 

次回からは対中飛車を勉強していきます。よろしくお願いします。

 

 

 

【研究】対ノーマル三間飛車④





前回の記事では、銀冠穴熊に対するノーマル三間飛車の△4三銀型を調べました。

今回は△5三銀型を調べていきます。

 

駒組み

【変化3】△5三銀型には玉の移動を優先

 

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再掲基本図

 

(再掲基本図から)△5二金左▲8七銀△5四歩▲5六歩△6四歩▲7八金△7四歩▲5八金△5三銀▲9八香△7三桂▲8八玉(図6)

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図6

三間飛車△5三銀型は中央~玉頭にかけて手厚くする指し方で、有力な銀冠対策です。対穴熊戦では「コーヤン流(中田功XP)」などと呼ばれていますね。

三間飛車側は玉頭方面に手数をかけたいため、逆側に手数のかかる石田流には来ません。よって、ここでは△7三桂に対して▲8八玉と囲っていきます。

 

(図6から)△6三金▲9九玉△8四歩▲6八金右△6五歩▲5七銀△6四銀▲3六歩△8二玉▲8八金

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図7

後手は△6五歩~△6四銀と組んでいきます。かなり後手の主張が大きい様ですが、2筋方面が薄いため△4五歩などとすると、▲3三角成~▲2四歩で攻め込んでいけます。また、先手玉の方が深く囲えています。

後手はこのまま単調に進めてしまうと、先手に▲7八金以下固められてしまいます。玉形の面でやや分が悪いため、(図7)の局面から動いてくるはずです。

(図7から)△8五歩▲同 歩△9五歩▲同 歩△8五桂▲8六角△7五歩▲7八金右△7四金(変化図7(a))

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変化図7(a)

(図7)の局面では先手の角が後ろに引けないタイミングだったため、△8五桂には▲8六角とする一手です。(変化図7(a))の△7四金が上部を厚くして攻めを繋げる好手で、後に7五の位をとったり、△9七歩、△4五歩を絡めて攻めてきます。

評価値では先手有利と出るものの、正しく対応し続けないと直ぐに互角以上になってしまう局面です。

少し話が逸れますが、ソフト検討をする際は評価値の数値だけでなく、実戦で自分が正しく指すことのできる局面かどうかも考えるようにしましょう

自分が研究している局面では相手の方がミスしやすいのは確かですが、当然ながら自分もソフトではないため、指し進めると必ず疑問手は発生します。

・自分が正しく指せそうな局面を探すこと

・相手のミスにミスで返さないこと

が大切だと思います。

 

 是非一度(変化図7(a))の局面から自分なりに読み進めてみてください。

 

 (戻って図7から)△5二飛(変化図7(b))

 

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変化図7(b)

(図7)から△5二飛も考えられます。

(変化図7(b)から)▲7八金右△5五歩▲5八飛△4五歩▲5五歩△同 銀▲5六歩△6四銀▲3三角成△同 桂▲4三角△5三飛▲3四角成(変化図7(b-1))

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変化図7(b-1)

先手も▲5八飛と対抗します。進んで、(変化図7(b-1))では先手が馬を好所に作れましたが後手陣もしっかりしており、具体的にどう決めきるかは難しそうです(先手ペースではあります)。

また、変化の途中で△6四銀に代えて△4四銀だと、▲2四歩△同歩▲3七桂の進行があり、こちらの変化は先手がうまく切り返せている進行だと思います。

 

まとめ

三間飛車側は銀冠穴熊対策として、△5三銀型~玉頭戦を目指す進行が有力そうです

居飛車側は攻められた場合を想定して、△8五桂以下の進行を予め検討しておく必要がありそうだが、少なくとも「トマホーク」よりは楽なはず

 

次回で対ノーマル三間飛車は一区切りとします。現時点での細かな補足になるかな。

他に有力そうな銀冠穴熊対策があれば、そちらもまとめたいため、ぜひ連絡してほしいです!。よろしくお願いします。

 

 

 

 

【研究】対ノーマル三間飛車③






前回の記事で三間飛車側が石田流を目指した場合、▲5七銀~▲4六銀の対策が良さそうだと分かりました。

今回も引き続き駒組み段階での分岐を調べていきましょう。

 

 

駒組み

三間飛車側にとって▲5七銀型は少し厄介でした。では、別の方法で居飛車側の駒組みを牽制するとどうなるのか。

【変化2】▲5七銀と指せない時は「okumura流▲3六歩」

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再掲基本図

(再掲基本図から)△5二金左▲8七銀△6四歩▲7八金△7四歩▲5六歩△7三桂▲5八金△4三銀▲3六歩(図4)

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図4

 後手は△7三桂を急いで、▲5七銀に△6五桂を用意しました。このまま後手に石田流に組まれた場合、先手は急所の▲4六銀に向かえないため不満です

△4三銀(次に△3五歩~△4二角~△3四飛を狙う)の主張に対し、▲3六歩で主張し返します。これは(私が勝手に呼んでいる)「okumura流」という有力な指し方です。

この手の狙いは、▲6八角として飛車先を受けるというよりも、4四の歩を△3四飛として守らせない意味合いが強いです。

 

(図4から)△8四歩▲9八香△6三金▲8八玉△8五歩▲同 歩△同 桂▲6八角△4五歩▲7九玉(変化図4’)

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変化図4’

(図4)の局面から、三間飛車側は高美濃へ発展します。居飛車側は玉を入場する前に▲9八香が急所の一手になります 。(変化図4’)のように進んだ時にあらかじめ香車が角の当たりを避けている格好となり、次に▲8六歩で桂得できます。

 

(戻って図4から)△8四歩▲9八香△6三金▲8八玉△5四歩▲9九玉△8二玉▲6八金右    △4二角▲4六歩(図5)

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図5

△8五歩の仕掛けがやや無理筋となると、囲い合いになります。(図5)の局面の様に△4二角に対し、▲4六歩が急所の一手になります。後手は△6五歩~△6四角を狙っていますが、後手の角が動いた際に先手も▲2四歩や▲4五歩の反撃が楽しみになります。

 

まとめ

・【変化1】と【変化2】から三間飛車△4三銀型には▲5七銀型の構想が良さそう。

・▲5七銀に上がれない場合は「okumura流▲3六歩」

・△4四歩を負担にさせることで、後手の飛、角、銀を自由にさせない。

 

 居飛車側は以上のポイントを押さえて駒組みしていくと指しやすいと思います。

逆に三間飛車側は△4三銀型を採用する際は▲5七銀型の対策が必要となりそうです。

 

次回は三間飛車△5三銀型について調べていきます。

 

【研究】対ノーマル三間飛車②


前回の記事で対ノマ三には銀冠穴熊を勉強していく事に決まりました。

今回は銀冠穴熊の特徴を理解し、本格的に駒組みを勉強していきましょう。

 

銀冠穴熊の弱点

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銀冠穴熊の主な急所

囲いの急所は総じて出っ張っている所になりやすいです

上の図は(手書き感満載の)赤矢印で主な囲いの急所を示しています。

・8六歩の地点を目掛けて殺到

・角の斜めのライン

・7八の金を狙う

 ざっくりですが、こんなところでしょう。

囲いの急所を把握して、相手の手が厳しいのか甘いのかを判断しましょう

 

駒組み

(初手から)▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲4八銀△3二飛▲7六歩△4四歩▲6八玉△4二銀▲7八銀△6二玉▲7九玉△7二銀▲9六歩△9四歩▲7七角△7一玉▲8六歩(基本図)

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基本図

初手からの進行は居飛車対ノマ三でよくある形です。居飛車は▲7八銀~▲8六歩と早くも銀冠を明示します

ちなみに、手順を変えて▲8八玉~▲7八銀の組み方もありますが、早々に玉が角のラインに入ってしまう為、避けたい進行です

 

【変化1】対石田模様には▲5七銀型を目指す

(基本図から)△5二金左▲8七銀△4三銀▲7八金△3五歩▲5六歩△4二角▲5七銀(図1)

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図1

 

 まずは、相手が石田流を目指した場合です。石田流には▲4六歩~▲4七銀と受ける形も考えられますが、(参考図1)のように進行することが多いです。

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参考図1

(参考図1)の局面は互いに膠着状態となり、先手がやや打開に悩む展開でしょう。

よって、ここでは▲5七銀型を採用します

ここで抑えて欲しいのが、「相手の飛車先が通っている時に△3五歩とされたら、▲5七銀を指す 」という点です。

後に解説しますが、▲5七銀とできるから石田流を甘受している部分があります

 

(戻って図1から) △3六歩▲同 歩△同 飛▲3七歩△3四飛▲4六銀(変化図1’)

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変化図1’

まずは、相手が純粋に石田流を目指した場合どうなるのかを考えます。

(変化図1’)の様に、歩交換して浮き飛車に構えてきたら▲4六銀とします。後手は△3三桂と指したいですが、▲6八角~▲3五銀を見せられて痺れます

石田流の場合、後手は角を引いているため、4四歩が浮き駒になりやすいです。

そのため、▲4六銀と出られる時は石田流に構えにくいのです。

 

(戻って図1から)△5四歩▲8八玉△8二玉▲4六銀△3六歩▲同 歩△同 飛▲3七歩△3二飛▲5八金△1二香▲6八金右△6四歩▲9八香(図2)  

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図2

先手は銀冠に収まり、ひとまず安心したい所ですが、動ける所は動きを見せましょう。

やはり▲4六銀が石田流の急所 で、ここでも▲6八角を見せます。

このままでは3五の歩が危ないため、後手の歩交換は仕方のない所でしょう。

しかし、浮き飛車に構えるのは先述の筋で危険であるため、△3二飛と深く引きます。▲4四角と出るプレッシャーもあり、△4三銀も相変わらず動かし難いです。

 

先手は後手陣を牽制しながら隙が無いように駒組みを進め、▲9八香にて銀冠穴熊を明示します(図2)。

 

(図2から)△7四歩▲9九玉△6三金▲8八金△7三桂▲7八金右△8四歩▲6八角△3四銀▲3六歩△6五歩▲3七桂(図3)

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図3

先手は無事に銀冠穴熊へ組み替えられました。進行例ですが(図3)へと進んだ局面は、駒配置と駒効率を考えると先手を持ちたいです。ただ、後手に持ち歩があるため、6八の角が移動すると、急所の△8五歩~△8六歩を狙われます。注意しましょう

 

まとめ

今回は後手が石田流を目指した場合の指し方を研究しました。

対石田流には▲5七銀~▲4六銀を見せる動きが優秀そうです。

途中に出てきた「相手の飛車先が通っている時に△3五歩とされたら、▲5七銀を指す」という点を覚えておきましょう。次の記事で解説します。

 

 

 

【研究】対ノーマル三間飛車①





今回はノーマル三間飛車(以下ノマ三)を対策していきます。

ノマ三はプロでも多くの振り飛車党が愛用しており、見本にしやすい戦型ですね。

 

三間飛車側の対策

まずは、居飛車対ノマ三の現状を軽く見ていきましょう。

居飛車急戦対ノマ三

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図1

図1は、2019/05/06竜王戦3組ランキング戦の▲中村-△鈴木戦になります。

▲中村先生の指し手が早かったため、研究手順でしょう。実戦はよくある4五歩早仕掛けの部分定跡に合流しますが、結果は後手勝ち。

 

 

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図2

図2は、2019/03/07順位戦C級2組の▲高野-△今泉戦になります。

先手は近年流行のエルモ急戦を採用し、浮き飛車から▲5七銀~▲4六銀~▲3五歩の仕掛けを見せます(後手は3二飛から4二飛へ振り直しています)。対して後手は急戦の受けの形の1つである△3二金で対抗しました。結果は後手勝ち。

 

以上より、先手が工夫をみせるも、後手の対応は従来とあまり変わらず指せている。そのため、経験の差で振り飛車側が勝ちやすいように感じます。

 

居飛車穴熊対ノマ三

次に居飛車穴熊に対する三間飛車の作戦を見ていきます。

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図3

図3はトマホークという指し方です(細かい手順は自信がないため、各自で勉強してみてください)。

狙いは△9三桂~△8五桂への速攻です。評価値では難しいですが、居飛車側はこの猛攻を受け続けなければならず、実戦的に勝ち辛いです。穴熊っぽい戦いにさせてもらえないのも厳しいですね。

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図4

図4は、かなけんシステムという指し方です。

穴熊に組ませる代わりに、平美濃でスキを無くし、相手の偏った陣形に石田流をぶつける狙いです。居飛車側は4九の金を動かしにくく、△7四歩~△7七角からの飛車のこびん攻めにも注意が必要となり、穴熊の姿焼きになりやすいです。

プロだと西川和宏先生が採用するイメージがあります。

 

以上より、穴熊は三間側の対策が優秀でペースを握られやすい。また、先手三間だと1手早いのでより厳しいと感じます。

 

銀冠穴熊の採用

よって、今回は角のラインを緩和しつつ、玉頭に手厚い銀冠穴熊を研究していきます。

狙いは以下の通りです。

・序盤の超急戦を避ける

・囲いはなるべく固いもの

・誘導性の高さ

 

まとめ

三間飛車は定跡が優秀で特に穴熊対策が厄介です。

居飛車側がペース握るというより、三間飛車側にペースを握られない方針が分かりやすそうです。

そのための工夫を考えていきましょう。

 

 

 

 

 

【研究】最序盤の指針



今回から本格的に研究を進めていきます。

研究する時は最初に大元となる序盤方針を固めていきましょう。

 

 

▲2五歩~▲4八銀まできめる

(初手から)▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲4八銀(図1) 

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図1

図1の局面ですが、▲4八銀に代えて▲7六歩が一般的だと思います。

後手が振り飛車党なら角道を開けてもよさそうですが、この出だしからの居飛車も十分あり得ます。

これも勿論一局の将棋ですが、今回は角を交換しない方針で進めていきます

 

▲2六歩に△8四歩の場合

(初手から)▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲4八銀(図2) 

 

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図2

図2は相掛かりの将棋になります。▲4八銀に代えて▲3八銀が一般的な指し方で、プロでも流行している出だしになります。

先手は角道を開けないため、後手に相掛かりを強制させました

 

まとめ

・対振り飛車、対居飛車ともに、飛車先を決めて▲4八銀の形を作る。

・角道は保留する。

・対居飛車は相掛かりに固定

以上が最序盤の指針になります。

これを基に研究を進めていきます。

 

 

研究の方針

今回は私の研究の方針について触れていきます。

どういった手順や目的で研究を進めていくかの例ですので、参考程度によろしくお願いします。

  

 

用いる戦型・作戦

 

現在、私は居飛車を勉強していきたいと考えているため、対策すべき戦型は

の大きく分けて2通りあります。

ここで重要になってくるのは、戦法の「含み」は重要視しないことです

(「含み」の例:初手7六歩なら居飛車振り飛車もできること等)

「含み」を持たせることで自身の作戦に幅が出ますが、その分相手の対応手も増えてしまい、研究量が膨大になります。

自分の指し手を限定することは、相手の対応手も限定させることにつながります

まずは自分の中で1本筋の通った作戦を覚え、身に付いたら徐々に作戦を増やしていく方が効率が良いと思います。

「始めたては四間飛車が良い」とよく言われているのは、相手の作戦によらず、ほとんどの確率で「四間飛車+美濃囲い」にできるからです。

 

ですので、これからの研究記事は居飛車でも作戦を限定させられるものを紹介していきます。

 

私が参考にしているもの

 

私の勉強法ですが、主に以下の通りになります。

  • 気になる棋書を購入し読む
  • 終盤が弱いので詰将棋、寄せ、必死問題を解く
  • 棋譜中継を見る
  • 棋譜ならべ
  • YouTube

よくある勉強法がメインですね。中でも私がおすすめしたいのがYouTubeになります。

最近ではアマ強豪から、果てはプロ棋士まで動画を投稿しているため、非常に勉強になります。

無料であることも大きいですね

2020年5月現在でおすすめするのは、居飛車党なら「shodan7」さん。振り飛車党なら「石川泰」さんです。

・「shodan7」さんは将棋倶楽部24でレート2900台のアマ強豪になります。研究動画が多く、ミレニアムや4五桂速攻などのトレンドを作った方です。私の記事もこの方の研究動画を参考にしているものもあるので、是非見てみてください。

・「石川泰」さんは元奨励会三段の経歴があります。研究動画は少ないですが、将棋の上達法は詳しく説明されています。もし私が初心者の時にこの方の動画を見ていたら、「間違いなく中飛車を選んでいた」と感じる位、振り飛車の感覚が優れています。特に相振り飛車が苦手な方は見てみてください。

 

練習量、練習法

 

さて、戦法が決まれば練習に移ります。どれくらい指せば身につくのかは人によるため具体的回数は明示できませんが、終盤の入り口辺りの局面が見慣れたものになってきたら、いい感じです。

 

練習法ですが、自粛中の現環境ではネットになると思います。

なるべく長考できる時間設定(10切れや15分60秒)で指しましょう。

私の体感ですが、秒読み30秒と60秒の差で棋力が2段くらい違う気がします。私の様に読みが浅い、遅い方は長考から練習しましょう

 

対人戦ができるようになったら、同じ戦型を何局もぶつけましょう

私がよく後輩と指す時に、戦型指定があるかを聞いていたのはこのためですね。

 

仮想相手

 

ここで各戦型における仮想相手の例(2020年5月段階)を挙げていきます。Tyubu地区をメインにします。大会ができるようになったら、この方々に注目して対局を観るといいと思います。

(※個人名を列挙するため、問題があるようでしたらイニシャル化、又は消去する場合があります。)→検索結果に容易に出ないように一部イニシャル化しました

(※後輩向けの部分があるため、私より上の世代は除きます。)

(※敬称を略してある箇所もあります)

振り飛車

 

四間飛車:伊藤show(meijo4)、川口(mie4)

伊藤show:meijoの筋肉担当ですね。形勢が良くなると腕をニギニギします。完成度の高い四間美濃党で、丁寧に指します。私が持っていく作戦がことごとく弾かれるため、対四間の作戦をめちゃくちゃ覚えさせられました。部室によく出現するため、練習しやすいです。

川口さん:mieの隠れ強い人です。直近の大会だと富士通8連勝の先輩を負かしています。四間飛車穴熊の印象が強いです。かなりの研究家だと思います。

 

三間飛車:二橋(mie3)、木村(mei市2)

二橋さん:いわずと知れたmieのエースですね。団体戦ではよく私の前に座ってきます。1局を通してスキがなく、決断が良いので持ち時間を離され、終盤も一気に持っていかれます。

木村さん:よく部室に来てもらえます。現学生女流名人です。序盤から、積極的に動いている印象があります(玉頭銀を見せるなど)。攻める振り飛車で終盤の寄せの手数計算が優れています。積極的に挑戦しましょう。

 

中飛車:中村(tyubu3)

中村くん:部室によく来てくれます。通称「なかてつ」ですね。中飛車スペシャリストです中飛車を採用する際は彼を頼りましょう。個人戦でよく私の前に座ってきます。独自の研究で序盤からハメようとしてくるので気を付けましょう。時間も引き離されます。後輩の中で彼と指している人をあまり見ないのですが、色んな人と指したい派だと思うのでどんどん挑戦しましょう。

  

居飛車

 

 居飛車:今井(meijo4)、林(mie3)、黒瀧(mei大2)、大野(ai学2)

今井masumi:meijoのエースですね。早繰り銀の序盤を抑えただけで個人戦で優勝してしまうスペックがあります。序盤に疎い中終盤モンスターで逆転が多いです。そのため「なかてつ」からは恨まれています。あまり自分から後輩と指そうとしないシャイ野郎なので後輩側から歩み寄ってあげてください。

 林さん:mieのエースで矢倉などの少し古風な将棋を愛用します。局面の形勢に寄らず、常に安定した指し手を選ぶ印象です。あまり悲観して指している所を見ません。終盤を怪しく粘って逆転できる方です。

黒瀧さん、大野さん:両者角換わり腰掛け銀が得意な印象です。積極的に動いているため、ペースを握られると攻めつぶされます。攻めをつなぐのがうまいため、受けきりを目指すのは難しいと思います。

 

特殊層

 

小林くん(meijo2):非常に安定感のある後輩エースです。感覚が独特で、居玉で終盤に突入しているのもよく見かけます。真似るのは危険ですね。普通の振り飛車も指せるため、挑戦するときは戦型指定をお願いすると良いでしょう。

細田さん(tyu京3):tyubuオール個人戦で優勝経験のある振り飛車党です。感覚が超独特で、形勢判断の難しい将棋を指します。対策は意味ないので、将棋に強くなりましょう。

佐々木さん(shizu大3):shizu大のエースで振り飛車党です。相手に合わせて振る場所、戦型を変え、研究量でポイントをどんどん稼がれます。純粋な相振り飛車が得意な印象で、相振りを勉強したい方は彼の将棋を見るといいと思います。

河村くん(mei大4):mei大の主力の一人で独自の角交換振り飛車を得意とします。研究家で、流れで指していると作戦負けします。強豪キラーの印象です。

藤原くん(mei大4):棋風や用いる戦法が彼ならではです。作戦で勝つというより将棋力を試される印象です。いい意味で変態だと思います。

 

 

まとめ

 

・自分の目標相手を決めて対策を立てましょう。

・使っている作戦がなぜ通用しないのかを考えて、失敗ごとに修正しましょう。

・ 地道ですが、継続が大切です。頑張っていきましょう。

 

次回から研究記事をあげていきます。参考になれば幸いです。。。