hanyu9dan’s diary

将棋研究についてのブログになります。主に自分が用いる・興味のある戦法の記事をアップしています。

将棋研究と上達についての話

 

今回は将棋研究と上達に関する話をしていこうと思います。

基本的なことになりますが、棋力に伸び悩む人に特に読んで欲しい内容です。

 

 

 将棋における「研究」とは

 

 

まず初めに、「研究」と聞いてどのようなイメージがありますか?

皆さんは大学生のため、おそらく身近な研究で思い浮かぶのが「卒業研究」かと思います。

そう聞くと私でも「難しい」であったり、「何か専門的なこと」をイメージしてしまいます。「研究」とは大掛かりな作業であり、とても初心者から取り組むべきことではないと思いがちです。

 

このようなイメージがある方は少し考え方を変えてみましょう。

 

私は将棋における研究とは、自分の持つ知識を「確認したり試したりする行動」だと捉えています。

「研究」というよりも「実験」に近いですね。

勉強してきた事を複数回試して確認、そしてデータを採り考察する事が「実験」です。

近年、将棋ソフトの進化により一口に「研究」といっても、素人でもかなり専門的な所まで踏み込むことが可能になりました。ある種、終わりの無い作業を「実験」もままならない初心者が取り入れてしまって、結果として上達を妨げているのではないかと、考えています。

ソフトのない時代の研究会は、プロでも数人で意見を持ち寄って考える「実験」に近いものだったはずです。

ですので、「研究」に手ごたえを感じていない方はまずは「実験」から取り組むようにしましょう

 

目標設定

 

次は目標の立て方になります。

ここで重要になるのは、「将棋アプリで~段」や「将棋倶楽部24で~点」のような設定は初めのうちはおすすめしません。

例えば、角換わりを勉強していて得意でも、全ての実戦で勉強した形になることはなく、レートが上がらないことが多いからです。

 

ここで、我々大学生にしかできない上達法を紹介します。

 

それは周りで具体的に勝ちたい相手を決めることです。

 

「なんだ、それだけか」と思った方は甘いです。単純なようで、これがなかなか難しいんです。

社会人になると、基本的には将棋を指す場はネットとなり、会社に部活があってもせいぜい月に数回程度です。その上メンバーも限られているはずです。

小~高校生で将棋クラブや部活があっても、そんなに長く学校に残れません。

つまり大学生だけなんです。規模と時間を確保できるのは。

また、後に説明しますが相手との棋力差は考えない方がいいです。

 

とりあえず相手を決めてみましょう。

 

目標に対する意識および行動

 

どこまで上達したいのか、単に楽しみたいだけなのかは、人それぞれ差があると思います。

しかし、将棋が上達して出来ることが増えれば、楽しいことは変わらないはずです。

よって、ここでは「上達のために持つべき意識」という意味で話を進めていきます。

 

1.棋力が同じ位の人と格上の人の両方を相手に決める

 

部室では色んな人と将棋を指せます。そこで過ごす中で段々と互いの力量が分かってきたのではないでしょうか。

ここで大事なのが同等と格上の両方と指すことです。同等の人だけだと、それ以上強くなることはありませんし、逆に格上だけだと負け過ぎて精神が持ちません。。。

勝てる楽しさを感じながらも、格上の人の将棋に徐々に応戦できるようにしていくことが重要です

理想としては、同等:格上=3:7くらいだと考えています。

格上には「7回中1発は入れる」位の意気込みですね。また、同等の人には「3回中2回は勝つ」と心掛けていきましょう。3回と少ないチャンスしかないので緊張感も持てます。

(※1日に10局指しきらなくてもいいです。自分のペースをサイクル化していきましょう)

 

2.部員からの対局申し出を極力断らない

 

棋力の高い人はどうしても自分の練習のために強い人同士で指しがちですが、せっかくの部活ですので部員の育成に協力的であるべきだと考えています。全てとは言わないですが、「指しませんか」と声をかけてあげてきっかけを作ってあげられると良いです。

逆に自分より強い人に中々申し出にくいのもあると思いますが、得られるものは大きいので積極的に挑戦しましょう。

 

3.相手に応じて戦型を固定する

 

これが一番大事なことだと思います

同じ相手と3局くらい指して、全部違う作戦で対局しているのをよく見かけますが、上達はしないと思っています。

勿論、色々試してみたいという気持ちもすごく分かります

しかし、これは先に挙げた「実験」とは異なります。再度書きますが、勉強してきた事を複数回試して確認、そしてデータを採り考察する事が「実験」です。

 

まずはその相手に有効そうな作戦を棋書で勉強してぶつける。

1局毎に細かく修正していく。

何度も試した中で上手くいかないと感じたら、そこで初めて他を試してみましょう

 

4.勉強法を食わず嫌いしない

 

世の中にはあらゆる勉強法がありますが、これは将棋においても当てはまります。

・プロが採用している作戦しか興味がない

・将棋ソフトが全て

・独自路線だけで勝負

上記の例に当てはまる方は危ないですね。

偏らず、広く触れてみて、続けていきましょう。取捨選択はそのあとです。

また、プロの棋書であっても、最近のものは将棋ソフトでの見解も含まれてきています。勉強にはなりますが、理解するのに必要な予備知識が多すぎてアマチュアがついていけなくなってきています。多少古くても、基本定跡にも触れましょう

 

 

5.同期に遠慮しない

 

くどいようですが、上達には強い人の存在が欠かせません。

先輩に挑戦しにくいのは分からなくないです。でも、同期にさえ遠慮しているのは、いかがなものかと思います。

新人王取ってたりmei電のレギュラーだったりと、分かりやすい指標が同期なのは貴重な事です。(I井、H尾、K林あたり)

まずは彼らを倒しましょう。自信もつきます。

 

6.竹内先生を使おう

 

我々には「愛知の棋士はだいたい〆た」でお馴染みの竹内先生がついています。

使うという表現はあれですが、身近にいる人間の中で一番正しい道を提示してくださるのが、竹内先生です

私もよく相談に乗っていただきますが、どんな質問にも丁寧な回答をいただけます。

もし、連絡・相談していきたいと思っている人は、私やコンタクトをとれそうな同期に連絡してみてください

 

まとめ

 

また長くなりましたが、上達する環境は整っていると思います。

手段を選べるのはとても贅沢なことだと認識し、有効利用していきましょう。